大船ゆ〜かり整骨院症例ブログ「ふくらはぎが痛い」
2015.12.05
ふくらはぎの肉離れ
ふくらはぎが痛くて歩けない…「肉離れ」
ふくらはぎの「肉離れ」その原因とは?
「肉離れ(にくばなれ)」とは、専門的には「筋断裂(きんだんれつ)」と呼ばれ、筋肉の繊維が切れてしまう外傷です。主な原因としては、筋肉の柔軟性の低下、筋力の低下、寒さ、血行不良などがあげられます。
ふくらはぎの肉離れは、代表的な「スポーツ外傷」のひとつです。膝を曲げた状態でジャンプしようとしたときや、地面を蹴って進もうとした瞬間などによく起こります。例えばテニスをしていてボールを追いかけている後ろ足や、剣道をしていて地面を蹴りだす動作などです。
主な症状としては、断裂部の疼痛(とうつう)・陥凹(かんおう)、腫脹(しゅちょう)・内出血斑(ないしゅけつはん)、歩行時や動作時の疼痛などがあります。なかには硬結(こうけつ)という、筋肉の中で血が固まったものができることもあります。この硬結が残ると筋肉の機能が低下してしまうので、治療中はできるだけ出血を少なくし、硬結が形成されないよう注意する必要があります。
当院での治療法は、まず患部に干渉波という電気をかけて血行の循環を促します。そして患部にかかる体重の負担を軽減するために包帯固定を施し、筋肉の動きをサポートするためのテーピングをします。歩行時の痛みがなくなってきたら包帯をはずし、固まっている筋肉をマッサージして、さらに循環を改善していきます。
個人差はありますが、だいたい早い方で1週間ほど、長くても10日〜2週間ほどでよくなります。それでもよくならない方は、専門医に診ていただくことをおすすめしています。
サッカーでカッコよく決めた瞬間!肉離れに 35歳男性の場合
これはサッカーをやっている35歳男性の症例です。試合中に、ゴールキーパーをしていて、飛んできたシュートを横っ飛びして防いだ、その最高にカッコイイ瞬間に「ブチッ」と嫌な音がして、ふくらはぎに痛みが走りました。
最高のファインセーブを披露した後だけに、そのまま華麗な姿でプレーを続けたものの、試合後は痛くて足を引きづりながら歩く羽目になり、その日は後輩の肩を借りてなんとか帰宅することができました。1日シップを貼って様子をみましたが、痛みは引かず、脚を引きずって当院に来院されました。
さっそく状態を診てみたところ、ふくらはぎが腫れあがっており、内側には押すと痛い部分と硬結ができていました。これらの症状から「肉離れ」の「筋断裂Ⅱ度」と判断しました。
治療は腓腹筋(ひふくきん)とアキレス腱にそれぞれテーピングを施し、免荷のためにふくらはぎを包帯で固定しました。この処置のおかげで患者さまは脚を引きずらずに歩けるようになりました。
こうして治療を続けたところ、1週間後には歩行時の痛みがほとんどなくなりましたので、包帯をはずしました。引き続きマッサージを続け、2週間後には硬結もなくなり、治癒となりました。
患者さまには「こんなに早くよくなるとは思いませんでした。これでまた思いっきりサッカーができそうです!」というお言葉と、最高の笑顔をいただきました。
肉離れの再発予防におすすめは
一度、筋断裂して再生した筋肉は、例えるなら接着剤でくっついているようなものです。つまり切れる前より、衝撃や負担に対して強くなっているのです。そのため、同じ場所がまた肉離れを起こしてしまう可能性はほとんどありません。しかしこれには、デメリットもあります。
切れてくっついた部分の上下は、かえって弱くなっています。つまり、損傷部位の近くは他の部位より損傷しやすくなっているのです。やはり、日頃からの予防は大切だということになります。
予防で一番おすすめなのはアキレス腱のストレッチです。1セットを20秒(理想は40秒)とし、これを3セット朝晩に毎日やるだけで、かなりの効果が見込めます。
また、足を痛めてしまった場合、冷やしたくなるところですが、冷やしすぎはかえって血管を細め、循環を悪くし、さらに血液を固めてしまうため、逆効果になります。受傷後2日目以降は、逆に温めたほうが組織の再生スピードが早まります。
おすすめの方法は、自分でさすったり、蒸しタオルをあてたりするのが効果的です。あまり痛まないからといって放置してしまうと、治りが打撲の倍以上かかってしまいます。下手すると選手生命にもかかわりますので、痛みや不安を感じたら、なるべく早期に来院されることをおすすめいたします。