肉離れの症状改善の流れ
肉離れでよくあるご相談
- 「子供の運動会で張り切って走ったらブチッとなった。」
- 「足をつくたびに電気が走るような激痛がある。」
- 「テニスでダッシュしたら、激痛が走って歩けなくなった」
- 「こむらがえりだと思って、いつか治ると思っていたが、痛みが引かない。」
肉離れについて
「肉離れ」は、筋肉(筋繊維)が断裂してしまった状態の事をいい、足のふくらはぎや太ももの損傷が多く見られます。
「ブチッ!」「バチッ!」という筋肉の断裂音をご自身で感じるくらいの損傷では歩くのも困難となります。
「ブチッ!」といった断裂音を感じなくても、「こむらがえりだと思って、安静にしていればいつか治ると思っていたが、痛みが引かない。」という方が実は肉離れを発症していたケースも多い事例です。
肉離れは筋繊維に無理な力がかかったせいで断裂した状態で、切り傷と同じなのです。切り傷が出来た場合は、そのまま放置しておくよりも、切れた箇所の皮膚を寄せ合い、固定することで早期回復していきます。
肉離れやアキレス腱断裂は年齢を問わず、スポーツ愛好家に発生することが多く、大船ゆ〜かり整骨院の近くの高校では2週連続で同じ部活の学生2人が、運動中の肉離れで来院されました。
大人の場合は加齢や運動不足により筋肉の柔軟性、筋力が低下、学生では筋疲労による柔軟性の低下などの原因で、肉離れを受傷するリスクが高まります。
肉離れは筋肉が部分断裂または完全断裂した状態ですので、患部を伸ばしたり、押したり、力を入れたりすると痛みが走ります。重症になると、じっとしていても痛みを感じる場合もあり、筋肉が切れた患部が凹むこともあります。
ふくらはぎの肉離れはダッシュや急ブレーキ、ジャンプするときや着地の動作は、ふくらはぎの伸び縮みが強く起こるため筋肉にストレスがかかりやすい動作となり、筋肉が耐え切れず損傷・断裂することで起こります。
【目次】
1.肉離れの原因は?
〜肉離れの原因は、急な動作と筋肉の疲労。要注意は季節の変わり目。〜
肉離れは、踏み込み・ダッシュ・ジャンプなどの動作でふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋) が急激に収縮した時や、着地動作などで急に筋肉が伸ばされたりした時に発生するケースが多いです。
太ももの裏(大腿二頭筋・ハムストリングス)は、
「準備運動をせずに急に走った」
「普段やらない運動をした。」
「足を滑らせて踏ん張った。」
など、足に比較的大きな力を入れた時、片足に全体重が乗り、大きい筋肉で地面をける動作をしているときに発生する傾向が強いです。
肉離れは筋肉が急激に引き伸ばされることで筋繊維が切れてしまい起こるので、熱感、炎症性の痛み、腫脹、皮下出血が起こります。軽度の場合、自力での歩行は可能ですが痛みを伴います。重度になると痛みが強く自力での歩行が困難な場合もあります。
その他の原因としては、転倒しそうになって踏ん張ったり、足を滑らせた時などちょっとした動作なのに、肉離れを発症する場合は、筋肉の疲労が関係していることも考えられます。オーバーユースにより疲労が蓄積され、硬化してしまった筋肉に負荷をかけ続けることで筋繊維が切れて肉離れを起こします。
また、季節の変わり目など気温差が激しい時期などは、血液循環が悪くなりやすく筋肉の柔軟性が低下しやすく、筋肉が切れやすいので、季節の変わり目に多く見られることも特徴です。
問診でいつ、どのように痛めたのか(発生機序)、どこが痛いのか(触診)、損傷の程度などを確認(視診)しながら施術の方法、処置の仕方を決めていきます。 受傷からどのくらい時間が経過しているかによって処置の仕方が変わってきますので、最善の方法をご提案します。
2.肉離れの施術の流れ
〜痛みをとることに加えて、再発防止のために違和感がなくなるまできちんと治しましょう。〜
受傷直後は電療やアイシング で炎症を引かせた、損傷した筋肉を改善させるための施術を行います。再断裂のリスクを回避しつつ、負荷をかけていく中期から後期。メンテナンス期には違和感が残る損傷した筋肉の筋肉の硬結(炎症や鬱血 (うっけつ) が長期に及んで結合組織が増殖し、硬化すること。)を緩め、再発防止のために柔軟性を高めるための施術を行います。
おおよそ治癒までで6週間から8週間です。
※治療初期からメンテナンス期までの流れは、多い事例でご紹介しています。全ての方が当てはまるわけではございません。また、患部の状態によっては専門医(医師)をご紹介させていただくこともございますので、ご了承ください。
2-1.《初期》肉離れの施術
〜肉離れの痛みの緩和に、電療と筋肉調整〜
肉離れを起こした筋組織(患部)に痛みや熱感、腫れなどがある炎症期は、痛みを抑えることを目的とした施術を行います。 熱感、腫脹、皮下出血を軽減させる為のアイシング、ハイボルト、マイクロカレントなどの物療機器で患部の炎症を引かせます。
損傷部位の周囲の固まった筋肉を緩め(筋肉調整)血流を促してから、損傷部位を圧迫固定します(包帯)。 包帯固定を行いますが、普通通りの生活や動きを続けた方が治りは早くなるので、包帯固定で体重の免荷と動きの制限をかけます。
熱感、腫脹、皮下出血が引くのに、損傷度合にもよりますが包帯で固定する期間は約2週間です。
2-2.《中期》肉離れの施術
〜肉離れで使えない間の筋肉の柔軟性低下を防いで、早い復帰をめざす。〜
治療中期になると、安静時の痛みは緩和されますが、伸ばしたり、押したり、力を入れたりの動作はまだ痛みがある状態です。
治療中期は、損傷した筋肉の機能を改善させることを目的として施術を行います。
肉離れは受傷から2~3週間が最も再断裂のリスクが高いので、筋肉調整(柔整マッサージ、トリガーポイント)を施し筋肉を緩めて血流を改善させ損傷部位の再生、修復を早めます。
炎症や鬱血により軟部組織や筋肉が硬結(柔らかい組織が硬くなること)すると肉離れの再発が起こりやすくなる為、この硬結をしっかり緩め血液循環を良くしていくことが大切です。
硬結が強い場合にはハイボルト治療器を使用します。
筋肉からの出血が止まれば、包帯固定からテーピングに変更し、少しずつ損傷した筋肉への負荷を上げていきます。
患部の動きを取り戻す段階のため、再断裂のリスクもあるので焦らずに日常生活をしていただくことで、正常な筋肉の柔軟性、動きを取り戻していきます。ここまでで治療開始から約4週間程度です。
2-3.《後期》肉離れの施術
〜肉離れの再発防止を視野に入れた施術〜
痛みは取れてきていますが、患部には違和感が残っている状態の治療後期は、肉離れがある程度回復した状態で、患者様の日常生活動作に制限をかけず、やりたいことを行動してもらいながら経過を観察する期間です。
日常生活では、ふくらはぎに負荷が加わるように階段を利用したり、カーフレイズ(ふくらはぎの筋力強化)でふくらはぎ局所に負荷をかける運動を始めます。
軽いジョギングを開始するのは、痛めた方の
「足をかばう動作」がなくなってから行うよう指導しています。痛めた方の足をかばう動作とは歩行中、またはジョギング中につま先で地面が蹴れずに、足首が伸びない状態をいいます。
肉離れに限らず、足首の捻挫にも同じ足をかばう動作が生じやすいです。足をかばう動作は、関節の動きの効率を落とすだけでなく、腰や膝など余計な箇所に痛みをもたらします。
鏡などを見ながら左右の足の動き方の違いをしっかりと修正してからジョギングを開始しましょう。
損傷した筋肉の筋肉の硬結が残っていると肉離れを再発する可能性が高くなります。また、日常生活動での作再発予防のために、筋肉の硬結を緩める必要があります。
上記の施術でも筋肉が緩まない場合も多く、その原因が骨格の歪みである場合は骨格調整と筋肉調整で筋肉にかかる負荷を取り除き、再発しにくい身体をつくっていきます。
2-4.《メンテナンス期》肉離れの施術
〜肉離れをしない身体づくり〜
治療が終わったあとは再発防止のための身体全体のメンテナンスをおすすめしています。
大人の場合は加齢や運動不足により筋肉の柔軟性、筋力が低下している場合に、肉ばなれを受傷するリスクが高まり、学生では筋疲労による柔軟性の低下により起きやすくなります。
つまり、大人も学生も骨格調整(整復)で骨格の歪みを改善し筋肉にかかる負荷を軽減し、筋肉調整(柔整マッサージ、トリガーポイントへのアプローチ)で筋肉を緩めて血流をよくすることで老廃物を流れやすくし筋肉の柔軟性を高め身体の姿勢バランスを整えます。
整えた姿勢(骨格バランス)を維持するために、EMS(電気刺激でインナーマッスルを刺激する治療機器)でインナーマッスルを鍛えることで、体幹を安定させ下肢にかかる負担を減らします。
肉離れが回復し、動いていると痛めた部位や周囲の筋肉が硬くなります。これは瘢痕(はんこん)組織といい、競技に復帰しても、再び同じ箇所を痛めてしまうのはこのためです。
瘢痕(はんこん)組織は、筋組織が再生した後、つまり治癒した後に出来上がるため、瘢痕(はんこん)組織が出ないようにすることは出来ません。 動きながら、瘢痕(はんこん)組織を緩め、痛める前と同じように伸び縮みできて初めて《治った》となるのです。
継続的なスポーツをしている方で、肉離れを繰り返す方にぜひお勧めしたいのがこのメンンテナンスです。
筋肉に疲労を蓄積させないことが肉離れの防止になります。スポーツ選手はもちろん、普段長い距離を歩く方や電車で何時間も立ちっぱなしの方は、ふくらはぎに疲労が溜まっている可能性があります。疲労が溜まっている状態で、急に走ったりジャンプをしたりするととても危険です。
メンテナンス期は定期的に身体をメンテナンスして、良い状態をつくり、運動やストレッチなどもお伝えして、ご自身での自ケアできるようにしていきます。
3.肉離れのの予防について
〜肉離れを起こさないために知っていて欲しいこと〜
肉離れは急に起こったと思われがちですが、日々の生活習慣の改善やケアをしっかりやっていれば防げます。
3-1.肉離れを発症しないために「水分不足」に注意!
身体の水分量が低下すると血流が悪くなり栄養が行き届かなくなります。その結果筋肉は硬化しやすくなり切れやすくなります。こまめな水分補給が大事です。
3-2.肉離れを発症しないために「冷え」は厳禁!
自分の知らないところで筋肉は冷えています。
窓を開けて寝る、冷たい飲み物が好き、冷房をつけていることが多い、お風呂をシャワーで済ませることが多いなどで、知らぬ間に身体を冷やすのも肉離れの原因となります。
湯船に浸かり温まることや夏でも長いズボンを履いて寝るなど日常生活のひと工夫が予防になります。
3-3.肉離れを発症しないために「準備体操」を念入りに!
ウォームアップ、ストレッチや準備運動をしてから、運動をする習慣を身につけましょう。多くの方が、「これくらいなら・・・」「この程度なら・・・」と肉離れを起こします。
筋肉の柔軟性を高めるには日々のストレッチや運動前後のストレッチが大切です。
ふくらはぎのストレッチにはアキレス腱伸ばしが最も簡単で、効果も感じられる方法となりますので、運動前後、競技中にも行って柔軟性の低下を防ぎ、肉離れを予防ましょう。
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